「私、自分からこういうのって苦手で。この年になって何やってんだかと自分でも呆れちゃうのだけど、でもやっぱりちゃんと言葉にしなきゃって思うから」 「うん」 綾は恭司の目を真っ直ぐに見つめ、口を動かす。 「私、恭のことが好きよ。もうずっと前から」 恭司が待ちに待っていた言葉を綾が口にした。 恭司は瞼を閉じ、今彼女が口にした言葉を頭の中で繰り返す。