「あんな小僧より俺の方が魅力的でしょう」

「こら、スケベおやじ。その手を下ろせ」


恭司が慌てて綾の手を引き、圭吾から離すと、圭吾は両手をあげて見せた。


「なんだ、恭司のイイ人とは知らずに一目惚れしちまったよ」

「嘘つけ。今、あんな小僧よりって言ってただろ」


恭司の反応を圭吾は愉快そうに笑った。


「おい、恭司、下に行って飲み物買ってこい。今日の見舞いの品はそれでいいから」

「へいへい」


圭吾と恭司のやりとりを、綾は楽しそうに見ている。


「じゃあ行ってくる」


恭司は綾に微笑み、その姿を見て綾は軽く右手を挙げて微笑みを返した。