「どうして、わたしなの?」 「えっ」 百合が顔を上げて、大輔の顔を見ている。 「大輔さんはどうしてわたしの傍にいてくれるの?」 「そんなこと――」 いつもと違う百合がそこにいた。 大輔は困惑した。 今更、俺に何を言わせたいのだろうか。 俺の気持ちは前に伝えているし、俺自身はずっと同じじゃないか――。 大輔は百合から目を逸らす。