このまま帰ってしまおうか。

こんな天気じゃ客も来ないだろう。

大輔はシフト表を見て、月曜日の今日は百合が来ないことを確認した。

今日は恭司と綾の二人だけで過ごさせてやろう。

大輔はそのまま先ほど入ってきた裏口から出ていった。



雨は勢いよく降り続いている。

大輔は傘をさし、店の正面に向かった。

ドアの『Open』の札を裏返しにする。

この雨でも康則がここに来るかは分からないが、とりあえず今は裏返しにしていても問題ないだろう。

雨が弱くなった頃に電話しておけばいい。

札が『準備中』のままだと。