「初めて会ったときからずっと、今も綾のことが好きだよ」


恭司の真摯な気持ちが綾に伝わってくる。

これ以上、自分の気持ちを伝えずにはいれない。

綾は自分の中にある過去も引け目も全てを乗り越えて、自分の気持ちを恭司に伝えることを選ぶ。


「私も――」


恭司が顔を上げ、綾を見つめる。

その真っ直ぐな気持ちと視線に自分は応えたいのだと、綾ははっきりと自覚した。

恭司が微笑み、顔が近づいてくる。

恭司とのキスは初めてではないが、二人の気持ちがひとつになったキスはこの時が初めてだった。