恭司の顔を見ながら、綾は思った。

恭司はいつも物事の解釈が明るい。

こんな考え方の出来る人に出逢えたこと、そして再会出来たことは私の人生の中での奇跡だ。

恭司に再会するためのプロローグとして、東京での屈辱と挫折があったのだと思えば、全てが意味のあることに思えた。

綾にとって、恭司との再会は心の奥に隠していた夢の宝箱だったことを素直に認めたくなった。


「恭、あのね――、私もです」

「うん?」