「ほら、なんとなく体も中年に向けて肉付きが良くなってきちゃったし」

「そんなことないよ。まだまだ全然カッコいい――」

「カッコいい?」

 
綾は笑うのをやめて、恭司の顔を見つめた。


「カッコ良くて、素敵な――男の人だわ」

 
そう言って、綾は俯いてしまった。