メテオに着き、預かっている鍵でドアを開け、恭司は店内に入った。

今日はここで綾と一緒の時間が持てる。



恭司が看板を拭きに外に出たときは、いつの間にか雨雲が広がっていて、空が暗くなっていた。

拭き終わった頃に大粒の雨が空から降ってきた。

大きな雷の音と共に、強く雨が降り出し、恭司が店の中へ戻ろうとドアを開けた瞬間、傘を持たずに走ってこちらに向かってくる綾の姿を見つけた。


「綾っ」


思わず、大きな声でその名を呼んだ。

綾は顔を上げ、恭司の姿を見ると、にっこりと微笑んでドアの中に駆け込んできた。


「突然降ってくるんだもの。参っちゃった」


雨に濡れた綾を見て、恭司は七年前の夜の雨を思い出していた。