本当にそうなのか、強がりなのか、恭司には見極めることが出来なかった。

それでもにやりと笑った圭吾のいつもの顔を見て、そういうことにしておこうと思った。


「じゃあ、母さんには言わないほうがいいってことだよな」


恭司が確認すると圭吾は頷いた。


「お前が俺の店に来るようになった時、俺がすごく嬉しかったのが今ならわかるだろ」

「――そうだね」

 
圭吾が目尻を下げながら言った言葉を恭司も素直に認めた。