数分しか経っていないのに、圭吾は苦い薬を飲むように眉を寄せて新しいタバコを口に銜え、タバコに火を点けた。


「まさかこの歳になって、こんな話をすることになるとはな」


苦笑いをしながら圭吾はベンチに腰を下ろした。

恭司もその隣りに座る。


「でも、まぁ、自分の身内が絡むことだと思っているんじゃ、知りたいだろうし、話さないわけにもいかんよな」


圭吾は恭司の頭をぐしゃぐしゃと撫で、目を細めた。