「俺さ、どこかで諦めていながら、どこかで期待していた。いつか会えるかもしれないって。よく考えてみると、女みたいだなって――今、思った」


圭吾がにやっと笑う。


「俺はそういうお前がかわいいと思うよ。素直でな。――俺がさ、指輪をしている理由はむしろ、その逆だったよ」