自分の動揺を悟られないように、恭司は平静を装って鼻で笑って見せた。


「やっぱり歳だな、おやじさんも。若いフリも体がついてこないんだぞ」

「そういうことだな」

 
ああいえばこういう、といった圭吾だったのに、恭司の言葉を素直に認めていた。

それが恭司の鼻の奥をつんと痛くさせた。


「屋上に行くか」

「大丈夫なのか?」

「おいおい、そんなに病人扱いするなよ」