居酒屋の店長に大輔が話していてくれたおかげで、綾は日曜日の仕事は午後九時で上がってもいいことになった。


アパートに戻って、シャワーを浴びた後、公募雑誌を開き、イラストの公募がないかをチェックする。

自分はプロとは言えないし、アマとも言えないだろうなと思いながら応募資格や条件が『不問』になっているものに付箋を貼っていく。


いつかちゃんとイラストで収入が得られるようになったら、恭司の前で自分の今までのことと、今までの想いを話そうと決めていた。

そのいつかが来てくれるのか、来ないままなのかを考えると急に自信がなくなるが、今は後悔しないように頑張るしかないと心に言い聞かせていた。

以前と違って恭司が連絡の取れる場所に居てくれる。

電話をすれば声が聞けることに甘えて、自分が何をすべきかを考えなくなってしまってはいけないと綾は感じていた。

それでも、明日はメテオで恭司に会えると思うと、心が躍ってしまう。

綾は恭司の存在の大きさをしみじみと感じていた。