テーブルを運びながら恭司は今日の報告を綾に電話しようと思っていた。 忙しい週末に自分が手伝えないことを気にしているようだったから、大丈夫だったことを早く伝えてやりたいと思っていた。 「それ運び終わったら、軽く何か食べに行こうか」 康則が恭司と大輔に声を掛ける。 百合の表情がひと際明るくなる。 「あー、ワルイ。俺、帰ってからやりたいことがあるから、今日はパスする」 間も空けずに答えたのは大輔だった。 大輔が言い終わるのを待つかのように彼を見ていた恭司が手を挙げる。