メールの着信音が鳴る。 誰からかは想像がつく。 左手を伸ばし、ボードの上から携帯電話を取って見ると、予想通り上野からのメールだった。 内容はきっと、今日のお礼と次に会うための口実が書かれているだろう。 そのメールを見るのに溜め息が出てしまう。 こんな気持ちなら、もうやめたほうがいい。 それでも断りきれないのは、心のどこかで一人になる淋しさを拒んでいるだろう。 綾と連絡が取れなくなって七年。 もうとっくに、忘れてもいい頃だと思うのに、心は少しも思い通りにならない。