このショップの店長や店員、他のアルバイトの人たちとは上手くいっている。

しかし、給料は決して良い訳ではないし、ここの社員になったからといって、実家からの援助を絶つつもりは元々なかった。

たとえ、恭司たちに辞めたことがばれても、自分から辞めたと言わなければ良いのだ。

私はクビになった。

ハローワークに沢山の人が足を運ぶと報道される今、アルバイトの自分がクビになることは不自然ではない。

誰になんと言われようと決心は出来ていた。

恭司と綾の距離が再び縮まっていくことを不安に思いながら、この店に居るなんて出来ない。

今まで恭司を中心に自分の決断をしてきた。

今更、仕事がどうのなんて、考える自分にはなれない。