MEMORY-君と過ごした夏-






「うーん…どうしたら友達になってくれる?」

「アンタが私に近寄らなかったらなってやってもいいけど」


私の返答に「ひどいなー」なんて笑う榎本。


なんでこんなに鬱陶しいわけ?

私なんか以外にもコイツには友達なんて吐いて捨てるほどいるはずだ。


榎本は、いつも誰かに囲まれている。

『中心人物』って言うほど目立つ存在じゃないけど。

でもなぜか、いつも友達に囲まれてにこにこしている。


それくらいなら他人に興味のない私でも知っている。


「…アンタさぁ、私以外にも友達なんていっぱいいるでしょ?

なんで私にこんなに話しかけるわけ?

何?罰ゲームか何か?私に話しかけろっていう」


自嘲気味な笑みを漏らす。


大抵のヤツはこれで嫌な顔をするはずだ。



そう、そう思ってたのに――――





「だって俺、人生楽しみたいし?」



榎本はやっぱり、笑ってた。

さっきと変わらない、曇りのない笑顔で。