その言葉に、思わず私も吹き出した。

蒼太らしい。


聞いてて恥ずかしくなるようなことを恥ずかしげもなく言っちゃう。

でもなぜか蒼太が言うと、心に響くんだ。


「私、ほんとはちょっと嬉しかった

私は誰かに必要とされてるって、少しでも…思えたから


でも、あのころの私は素直じゃなかったから

気持ち悪い、なんて言って、蒼太を拒絶した


…自分のちっぽけなプライドを守るために」


…やっぱり、私と茜さんは似ている。


だって私、茜さんの気持ち、わかるもん。


「その日、蒼太は車に跳ねられて死んだわ

蒼太の死の知らせを聞いたとき…ものすごく後悔した

だって私がアイツに言った最後の言葉…


『気持ち悪い』よ?


…最低よね、私


素直に『ありがとう』って言ってれば…こんなことにはならなかったのに…ね」