MEMORY-君と過ごした夏-






公園に着くと、涙がさらに溢れてきて、目をこすった。

しょうがない。

同情されたって、しょうがない。

だって、蒼太の死から私は変わってしまった。

優也も周りの人も、そんな私を知ってる。

でも、心のどこかで…優也なら。

優也なら、私に本気でぶつかってくれる、なんて期待してた。



「ナオ」


シロの声がして、ハッと現実に引き戻された。

そうだ。今は私のことよりも…


シロの…正体だ。


「…ごめんね、泣いたりして」


ごしごしと目をこすって、シロを見た。

シロは横に首を振ると、私に向かって口を開いた。


「…僕のこと…信じてくれた?」


《幽霊》


正直…信じられない。

でも…


「私以外の人に見えてないってのは…わかった」


嘘をつくのが苦手な優也が、あんな嘘を言うとは思えない。