MEMORY-君と過ごした夏-






「…俺も」


優也…


「俺も、奈央がいなかったら…ずっとあんなモヤモヤした気持ち抱えたままだったと思う

奈央、ありがとう」


二人の言葉に、涙があふれそうになる。


…でも…

でも、私は…


『あの人』がいなかったら、二人に感謝されることも…なかった。


ううん、それどころか…


私こそ、救われること…なかった。

こんな風に、幸せを感じることもなかった。

本当に笑える日も…こなかった。



「…シロ…」