「死んでからも、こうやって…誰かに想ってもらえる

アイツ…幸せ者じゃない」


そう言って微笑んでいた、茜さんの瞳から―――


静かに、一筋の涙が頬を伝った。



「なんで…死んじゃったのかな」



涙は、次々と流れて茜さんの頬を濡らす。

茜さんは涙を拭おうともせずに、微笑んでいた。


「蒼太が…なんで死ななきゃいけなかったのかな?」


気づいたら、私も泣いていた。

ぽろぽろとこぼれて、止まらない。


「…ごめんね、奈央ちゃん


蒼太のこと忘れるなんて…無理よね



だって…







私だって今、涙が止まらないもの」