「お母さん。」



「なに?」とも言わず、無表情であたしの方を見るお母さん。



だめだ。
あたしが不安そうな顔しちゃダメだ。



ムリヤリ笑顔を作ってお母さんに話しかける。




「ねぇ!お母さん!一緒に買い物行こうよ!あたし、新しい…」



「ごめんね。お母さん、やらないといけないこと沢山あるから。お金、渡すから自分で買ってきて。」





お母さんはあたしにそう言い、1万円札をあたしに渡した。




「う…うん、ありがと…。」







あたしは1万円札を握りしめ、2階に駆け上った。





あたしの家は…



すごいお金持ち。




そんな2人が結婚したのだから




家はものすごく大きいし、広い。





3人しか住んでいないのに部屋が沢山あるし




1人で居るときは、ただただ寂しかった。





だから、あたしは狭い家に住みたかった。





狭い部屋に3人で川の字になって寝たかった。




…これってヘンなのかなぁ?