好きって言ってよ。


ー帰り。

「遅れてごめん!」

待ち合わせ場所に先にきていた私に、
謝る勇太くん。

『ううん!大丈夫!じゃあ、いこっか。』

「おう!それでな…」

勇太くんといるのに、やっぱり頭に浮かぶのは
先輩からの告白。

『はぁ…』

「なぁ。」

『ふえっ!?なっ、なに?』

急に呼ばれて焦った。

「俺の話、きいてなかったでしょ?
なんか、俺に隠してない?」

『きっ、きいてたよ!』

「じゃあ、なんの話してた?」

『ゔっ… それは…』

痛いとこつかれたー。

「ねぇ。俺になにかくしてんの?」

しょうがない…。言うしかない。

『あのね…
翼先輩、あっ、前会った先輩がね…?
こっ、告白してきて…』

「それで…
愛里は、なんて答えたの?」

勇太くんは、低い声で聞いてきた。
怒ってるのかも…

『考えさせてくださいって…。
あたしには、勇太くんがいるのにね。
ちゃんと振らなきゃ。
勇太くんがっ「俺のことは、いいから。」

『え…?』

「だから!
俺のことは、気にしなくていいから。
愛里は、どう思ってるの?」

わかっていないあたしに、
勇太くんは言ってきた。

『あたしは…』

「本当は…
まだ、先輩のこと好きなんでしょ?」

なんで、そのことを…

「告白したときに言ってた好きな人って…
あの先輩のことでしょ?
まだ…先輩のこと好きなんでしょ?

ははっ…。

やっぱ、かなわないなぁ…」

悲しそうに笑う勇太くん。
胸が苦しくなる。

「…俺はね、愛里が笑顔でいてくれればいいの。
愛里の幸せが、俺の幸せだから。」

笑顔でいう勇太くんは、今までで1番カッコよくみえた。

『ありがとうっ…。勇太くん…』

泣きながら、そういった。

ちゃんと今の思いを先輩に…

伝えるんだ。