机の下で急いで鷹にメールを送る
早く
早く帰って来てよ鷹
「かーなと?どうした、気分悪い?」
さっきからずっと黙っている僕に気付いた貢が声を掛ける
こんな些細な変化に気付けるのに
なんで中嶋(この子)の事が嫌だって僕が思ってるって事に気付けないんだよ
「なん…でも無い…」
「なんでも無いって、そんな顔してそんなことーー」
「貢ちゃーん、ここ教えて〜」
「…ほら、呼んでるよ中嶋君が。早く行ってあげなよ」
「叶斗…」
中々僕の前から立ち去ろうとしない貢
そんな貢を鬱陶しく感じ始めた僕に声がかかった
「叶斗」
「あ…鷹…」
良かった
帰って来てくれた
中嶋が居るのに帰って来てくれた
「どーした、メールなんか寄越して」
その鷹の言葉に貢がすかさず反応した
「メール?なんの」
「別に。お前には関係無ぇよ」
「は?お前に聞いてねぇし。俺は叶斗に聞いてんの。ねぇ叶斗、何のメール?俺に言えない様な内容なの?」
「…別に、何でも無いよ」
そう答えた瞬間隣の机が蹴飛ばされた
教室は一斉に静まり返る
「良いから携帯見せろ」
「…」
「早くしろよ。分かってんだろ、早くださねぇとどうなるか」