あっという間に放課後になり、特に予定も無いので叶斗からの連絡を待つ為、校舎内にあるあまりひと気の無い中庭へと向かう

そこに置かれてあるベンチが
俺のいつもの落ち着く場所だ

行ってみると、普段は誰もいない場所に見えた人影


(誰だよ…)

チッ、と心の中で舌打ちをしてそのまま歩みを進めた


見てみると可愛らしい顔で眠っている女みたいに小柄な男

確かこいつは…

「隣のクラスのーーー」
「中嶋 唯斗(なかしま ゆいと)だよ」
「!?」

先程まで眠っていると思っていた相手が急に目を開いて答えたものだから、不意打ちをくらった


「僕、自分で言うのもなんだけど結構有名な方だと思うんだけどなぁ…。
知らないとは驚きだな〜」

なんだこいつ

自分の事可愛いって自覚してて、
自分なら絶対落とせない奴は居ないと思っているタイプで



俺が1番嫌いなタイプ




「うわ〜、嬉しいなぁ。こんなとこで柳君に会えるなんて」

そう言って媚びるような目で見つめてくる中嶋

何も答えない俺の事なんてまるで気にせずに1人で話を進めて行く

「なんか〜名字って堅苦しいから…鷹幸…んー、鷹って呼んで良いかな?」


その時俺の中で何かがキれた







「その呼び方で呼ぶんじゃねえよ」