貢以外と初めて過ごした放課後は、僕にとって凄く新鮮なもので、本当に楽しいものだった

時間が経つのがあっという間で、僕が帰宅したのはいつもよりずっと遅い8時前の事だった


両親はどちらも海外での仕事が多いからいつも家に帰っても真っ暗

それなのに今日は明かりが付いている


『…珍しいなあ』

帰って来るなら連絡くらいしてくれたら良かったのに

そう思いながら玄関の扉を開ける

「ただい……ま…」

玄関に佇んでいたのは父でも母でも無くーーー「貢」

貢の姿を捉えた途端僕の頭は一気にパニックに陥る

なんで
どうして
今日は熱があるんじゃないのか
学校にも来れないほどしんどかったんじゃ無かったのか
いつから
一体いつからここで待ってた


「遅かったね。俺、待ちきれなくて昼からずっと待ってたんだ。今日は何か…用事でもあったの?」

「そ、だよ…今日は急に先生に課題出されちゃって…」

「ふーん…そうだったんだ」

少し熱っぽい顔で微笑む貢


良かった

鷹と遊んだ事はばれてなさそ「なんてね」

「…え?」

「俺が知らない訳ないだろ」

ヤバイ


ヤバイやばいヤバイやばい

これは…



「楽しかったぁ?タカと遊んだ時間は」