いつもと同じ道

同じ風景

何一つ変わらない


そんな中、肩を並べて2人ゆっくり歩いて行く

そこでふと会話を持ち出して見る

「そう言えば貢さ、最近絵、描いてないの?」

貢は絵を描くのが好きだった
それに凄く上手い

小学校の頃なんかはよく美術室で絵を描いていたけど、中学に入ってからは絵を描くその姿をめっきり見かけなくなった

「あぁ…絵ね。…やめたんだ」

「ーー!!やめた?何で?」

僕は貢の描く絵が好きだった
いや、違う

確かに絵も好きだったけど、正確には絵を描いている貢が大好きだった

真剣な眼差しをしているのに、その瞳の奥はキラキラと輝いていて

とても綺麗だったから

「…ちょっと理由があってさ」

そっぽを向きながら応えた貢に、これ以上追求するのもいけないと思ったのでこれ以上は聞かない事にした

「それより、さ、叶斗。今日家よってく?」

こちらを向いてニッコリと微笑む貢

「うん。お邪魔させて貰うよ」







この時、何で貢の家に行ってしまったんだろう

この時、何で気付かなかったんだろう






この日は僕たちが狂い始めた日