【鷹side】

いつものように叶斗の頭を撫でようとすると、パシリと音をたてて叩き落とされた俺の右手

「…え?」
叩き落とされた右手を見てから視線を叶斗に移す

そこにいたのは何かに怯えているような叶斗と、無表情で叶斗の横に立っている貢

なんだ
貢(こいつ)の目は


いつもと何かが違う

「あ…おはよ!貢。お前も来て「触るな」

“来てたのか”
そう続くはずだった言葉は掻き消される

「叶斗に触るな」

「触るなって…何言ってんだよ。今日のお前、何かおかしいぞ?」

「今までの俺がおかしかっただけだ」

「は?」

「あぁ、叶斗。俺は本当に今までの自分を責めるよ。殺してやりたいくらいだ」

殺してやりたい?
お前自身を?

「こんな汚い奴等が叶斗に触れてたかと思うと吐き気がする。もっと早くからこうやって叶斗を守るべきだった」

「ちょっと待て…お前さっきから何言ってんだよ…」

「…叶斗、こんなやつほっといてもう行こう。」

突然の出来事に頭をフル回転させても状況が飲み込めない俺を残して、貢は叶斗の肩を抱いて靴箱を後にする

そして見た


一瞬だけこちらを見た叶斗の




絶望に満ち溢れた瞳を