「学校行こう」

早くこの場から抜け出したい
僕の家なのに僕の家じゃない
全ては貢に支配されている気がしてくる

早く
早く学校に行きたい

鷹に早く会いたい


「うん、じゃあ行こうか」
フワリと笑ってから手を差し伸べられる

「用意、すぐにしてくる」

差し伸べられたその手を払いのけ、学校へ向かう支度を始める



いつも通りの登校風景なのに、確実にいつも通りでは無い

不穏な空気なんて流れてないのに、僕には耐え難いほど億劫で

いつもなら学校までの20分間の道のりなんて一瞬に感じてたのに、今日は何て長く感じるんだろう


学校に着いて靴箱へと向かう途中、後ろから誰かに勢いよく抱きつかれる

「ーーーっ!?」
「おーはよっ叶斗!」

その正体は…
「鷹…、鷹!!おはよう!」

会いたくて会いたくてたまらなかった人物

「なんだお前、そんな嬉しそうな顔してさ。いっつもウザそうな顔する癖に!」

「鷹に会えて良かった…」

「…え?お前マジでどうしーーー」
鷹が俺の頭を触ろうとした瞬間、その手がパシリと払われた

払った人は勿論





「…貢」