「おはよう、叶斗。
学校に行く時間だよ」

そこにある笑顔は今までにみてきた貢の笑顔と同じで

柔らかく、優しくて、
何かを愛おしむ様な眼差しで


「み…つぐ…」
「ん?」

「どうやって家に入れたの?
か、鍵…かかってなかった?」

もしかしたら母さんが仕事に行く時に鍵をかけ忘れてたのかもしれない

いや、そうであって欲しい

だから貢はここまでーーー…
「あぁ、合鍵だよ」


「…え?」

合鍵

「そ。合鍵」

「どこでそれ…」

「あぁ、前に作ってたんだ」