夕方、海をぼんやりと眺めていた。 水平線の上に、汽船が浮かんであるのが、小さく見えた。 そのとき、海から大きな手が出てきて、その汽船をわしづかみにして、沈んでいった。 信じがたい光景だったので、わたしは何かの見間違いだろうと思って、家に帰った。