「勝手に片思いだなんて決めつけないで!!」


「!?」



圭吾の上着のポケットの病院用の携帯が振動する。


「急患だ…悪い…美紅」



圭吾は急患で先に帰ってしまった。



「医者も大変ね…」



「…このカクテルどうしよう?」


「あたしが飲むわ…」




哲さんは圭吾に出したカクテルを一気に飲み干した。




店はカウンターと僅かなテーブル席のある狭い場所。




でも、哲さんの人望の厚さで常に満員だった。



「…月が経つのは早いわね…私ももう57歳だもん」



「…57歳には見えないわよ。若く見える…」


「いくつに見える?」



「50歳ぐらい」



「大して変わらないでしょ!!」