「あんた、エッチなビデオでも見とるんー?」
ニヤニヤと口元に笑みを作る。
でも、森口は表情を変えず「やったらどうする?」と聞いてきた。
困らせてやろうと思ったのに、まさか本当にエッチな動画!?
「……ほんまなん?」
「あほ。んなわけあるかい」
「なんやねん、もぉー!」
「作倉には見せられんもんやし」
私、限定なんだ……。
その言葉に幻滅してムーッと頬を膨らませた。
「あ、そういや作倉」
「なに?」
フッと微笑んだ森口が私の耳元で囁く。
………え?
その言葉を聞いた私は、驚きで森口を見つめていた。
「なんで知ってるん?」
「いや、何となく」
森口は言って私の頭をくしゃくしゃと撫で、じゃあなと去っていった。


