7月12日。 暑い日射しが差し込む中、窓枠に吊るした風鈴が鳴った。 透明な風鈴の表面には数匹の金魚が優雅に泳いでいる。 真っ白な扇風機に長時間当たっているより余程いい。 私はいつも風鈴の音に癒されている。 最近、朝の目覚めが良いのもこれのおかげかも。 「菜緒、夏休みはいつから?」 「22日」 丁度良く小麦色に焼けた食パンをかじりながら、キッチンで洗い物をする母さんに言った。 ――作倉七緒。純真で真面目な母の名前から捩って、私は『菜緒』と名付けられたみたい。 小さい頃からのお気に入り。