「ユウくんおはよう 」

はぁ。

毎朝、これを聞くのは正直うるさい。

「早く学校に行こぉ?」

あぁ。

わかった、わかった。

僕はこいつに引っ張られる。

「ユウくん。今日は入学式だよぉ♪」

そう。

昨日まで春休みだったのに。

春休み中もこいつがいて休めていなかった けどな。

毎日、毎日。

最悪の日々が始まるのか。

「高校生らしい生活をします」

ダイスケと言う男が誓う。

これになんの意味があるのだろうか。

いつの間にか入学式は終わっていた。

「挨拶した子かっこよかったね 」

終わったと同時に隣にくる。

うざったい。

メイクもケバいし。

「アズサはぁユウくん一途だからね」

あぁ。

いやだ。

「ユウ、ちょっとこっち来い」

おぉ!!

俺の親友っ!!

「ジュン」

やっとこいつから逃げれる。

「サンキュ」

なんとかあいつから離れることに成功し た。

「お前なんであんな可愛い子に好かれんだ よ」

「はぁ?毎日あれだぞ?ベッタリくっつく んだぞ?」

「胸あたるんだろ?お前はいいよなぁ」

お前って意外と変態なんだな。

そんなこと考えてるとか。

ちょっとひく。

「てかもう高3か。早いなぁ」

「……」

「お前とはいろんなことが……あったっ け?」

ジュンの頭の中は疑問でいっぱいだった。

「それよりさぁ。お前、妹いるんだろ?」

「なんで知ってるんだよ」

ニヤリとジュンに笑った。

「見たけどちょー可愛いかったな」

本当は見ていない。

可愛いという噂を聞いただけ。

「あんなやつが可愛かったら世界中の女は みんな可愛い」

ジュンは妹が嫌いみたいだ。

「そこまで言うか?」

「がちで!!」

「そういえば」

「なんだよ」

「お前、彼女できただろ?」

ジュンの顔を覗き込んだ。

「はぁ?な、何言って」

ジュンは顔を赤らめて言った。

そんな慌てていたら。

バレバレだっつぅーの。

いいよな。

彼女がいて。

青春を謳歌して。

不公平だよ。

「あれ?こんなところに図書館なんてあっ たかな?」

帰り道。

暗い図書館を見つけた。

好奇心から僕は暗い図書館に歩いて行っ た。


「やっと来たね」