「やっと読めた」

勢いで読んだ。

グロいな、殺し方がグロすぎ。

悪魔が魂をとる時。

肌を抉り、抉り、抉り。

想像するだけで心が折れる。

魂を悪魔が手にした時。

笑い出し、ゆっくりと、ゆっくりと食べ る。

「こんな話、誰が思い付くんだろ」

僕は本を閉じ、執筆者を見つけた。

「桜咲 さくら」

すごいきれいな名前なのに。

もったいない。

急に扉が開いた。

「ユウ、ご飯よ」

ショウコだ。

そろそろ一人立ちすればいいのに。

あぁ。

できないんだった。

姉さんは子供のままだから。

「はーい」



眠れん。

ジュンにメールしよ。

最近、あいつと話してないし。

『何、してんの?』

なんか誰かと繋がってるって感じた。

それでなんか安心して眠りについた。

「はよ…」

「ユウ。おはよう」

そこには母さんが椅子に座って新聞を読ん でいた。

「姉さんは?」

「バイト」

「早いね」

「正社員になれるかもなんだって。だから 気合いが入ってるんだとか」

姉さんが正社員か。

らしくないな。

「じゃあ僕、行くね」

「あんた、最近学校を早退してるけど」

「……」

バレてるし。

「……ごめんなさい。気をつけて行ってきな さい。今日は早退したらダメよ」

何を言いたいのだろう。

なんて思いつつ、学校へ向かう。

登校中、携帯を開く。

やはり、Eメールがある。

『何もしてねぇよ。妹、ちょーうぜー。』

妹か。

会ってみたかった。

あれ?

校門のところにセラー服着た女の子。

ショートヘアで可愛い。

その女の子にどんどん近づく。

人形みたいに可愛い。

目だけが動いていて無駄がない動きだな。

「うわっ!!なんでいんだよ!?」

「お兄ちゃんっ!?」

笑っていた。

さっきまで無表情だったのに、なんか悔し い。

人形ちゃんは目的人物を見つけると抱きつ いた。

目的人物。

「ジュンっ!?」

僕も人形ちゃんのように近寄った。

抱きつきはしないよ。

「もしかして……妹?」

「そうだよっ!!妹のマイ」

「お兄ちゃん。心配したんだから。どうし て昨日は帰って来なかったの?」

マイは抱きつきながら上目遣いでジュンに 質問していた。

そんなの男子が見たらイチコロだな。

でもジュンは無表情。

「ちょっとな」

「嘘つかないで。私は妹よ。お兄ちゃんが 嘘ついてることくらいわかる」

焦ってる。

確か、昨日、合コンって騒いでたな。

はぁ。

助け船だすか。

「予鈴鳴るぞ」

そう言い、そこから離れた。