BはAにナイフを向けた。

「Bさん?やめてくださいよ」

涙声でBに助けを求めた。

「もう遅い…」

Bは刺した。

「痛い…」

腕から血が出る。

それはもう止まらない。

「Bさん…」

「思い出せ!!そして死ねばいいのに」

「なんのこと?」

「もう、嫌なの!!私が殺すのは。だからあ なたには自殺をしてもらう」

「どうせ戻るのですよ?」

もう爆発した想いは戻らない。

ただ気持ちを伝え続ける。

「戻らない。私は殺されない」

「……」

Aは笑った。

お嬢様の笑い方じゃない。

Aじゃないような笑い方。

「あんたってやっぱり面白いね。そろそろ 戻らないとだね♪」

Aじゃない笑い方、話し方。

「だれ?」

「悪魔♪」

「……」

「繰り返すのは終わりにしようか」

Bにゆっくりと手が伸びる。

ゆっくりと。

「いやだ…」

「あれ?あんたが言ったんじゃん。繰り返 したくないって。だからあんたの望みは達 成できたってことでしょ?」

「終わりたくない」

「終わりだよ」

神社で死んだ。

「美味 」

悪魔は魂を食べる。

悪魔はBと契約したのだ。

母親の亡骸を前にして、Bは願った。

“戻って。あいつを殺す。永遠に…”

Bは唸っていた。

獣のように。

「それを聞いて駆けつけた。望みが叶うと 同時に死ぬけどね♪」

悪魔はさっきからAの姿。

それに気づいた悪魔はゆっくりと元の姿に 戻る。

「あら♪美味しそうな魂、発見 」

「次はBさんの父親を殺そうかしら。そし てお金をどうにかして奪う」

Aは次を考えていた。

「あんた美味しそうだねぇ」

悪魔が来た。

Aは驚いていなかった。

「遅い。ちゃんと殺したんでしょうね?」

「えぇ」

「勝手に契約とかしないでほしいわ」

「だってそっちの方がスリルがあるで しょ?」

「ないわ。確実に。計画通りにしてほしい わ」

「次はどの魂?」

「さっき殺した女の父親。金を奪う」

「了解 」

Aは昔、この悪魔と出会い契約した。

私が父親を殺した時のこと。

これまでの父親は悪魔が演じていた。

Aが願った願いは。

“私が死ぬまで私の言うことを聞け”

Aは死ぬまで人を殺し、この財閥を大きく していくだろう。

Bの母親が殺される前から始まっていた。

AとBが仲良しの時からも。

何も気づかず。

闇へと歩き続ける。

バカみたいですわ