「どうして?」

「お母様…」

「Aさん。私、あの人に何かしたかしら」

「そんなことないわ」

「でも…どうして?どうして死んでる の?」

「罰……でしょうか」

「そうかもしれないわね」

「私がこれからはこの財閥を守ります」

「Aさん…」

もうこれしかない。

私は生きれない。

「Aさんっ!!!!お父様が亡くなられたっ て」

「Bさん…」

悲しそうな顔をしないと。

怪しまれる。

「私、お父様に成り変わり家を守ります」

私自身。

「でも経営が難しいのでは?今、この状況 であなたはいきれないわよ」

「私はやる」

全てを蹴落として。

私はやるの。

それが運命。

「…助けなどしないから」

捨て台詞を吐き消えた。

「……お母様。もう寝ましょう。犯人は警察 が捕まえます」

「でも…」

「ね?」

全ては私自身のために。



「ふふ。バカみたいですわ。自分がやる? 寝言は寝て言いなさい。」

BはAを恨んでいた。

あの夜のことをいつまでも思いだし、殺し たいほど恨む。

あなたは忘れてしまったかもしれないけ ど。

私は忘れない。

あなたに恨みを果たすまで。

「面白い」

誰かが聞いていた。

それは悪魔の声。

「お母様。……Bはあなたの恨みを受け継い でいますよ」

墓に向かって私は呟く。

「あなたに教えてもらった全てをあいつ に」



「Bさん?どうしたのですか?」

Bが私の部屋に来た。

雨が降っていたのだろう。

濡れてる。

「ちょっと話が」

「なんですの?」

ナイフがキラリと光った。

にやっと笑う。

「神社で話したいの」

「えぇ、わかりましたわ。それはどこの神 社?」

「覚えてないんだ」

「え?何かおっしゃいましたか?」

「ついてきて」

AはBについていった。

傘を持って。

でもBは傘を持たなかった。

靴がずぶ濡れになった時、やっと目的場所 に着いた。

「ここは?」

「さっきも言ったでしょ?神社よ」

「お話とは?」

「……」

Bはじっとしていた。

うつむいていた。

「Bさん?」

「ごめん…」

BはAに泣きそうな顔を見せた。

「私、あなたを殺したの。ずっと…ずっ と…」

「何を言ってるの?私は生きてるのよ?」

「何度も繰り返すの」

何度も。

「…私は。ここであなたを殺して、殺され るの」

「……」

「あの日から……ずっと」

「私は殺されるのですね。後ろにナイフを 隠しているのはわかってますわよ」

ギクッ。

「なんで…」

にこ。

「私は…。なぜ、殺されるのですか?」

「私のお母様を殺したでしょ?私、見たの よ」

「なんのことですの?」

Aは首を傾けた。

意味がわからないと言うように。

「もう、いい。私は何度もあなたを殺せば いい話!!」