休み時間、私はお弁当を持ち、廊下を駆け出した。
辿り着いた教室は、中学のときとは違い、何かしら入りづらい壁のようなものを感じて、たまたまそこから出てきた生徒に、思い切って声をかけた。
「あの、松田総二郎いますか?」
同級生だとわかっていても、緊張で思わず敬語になってしまう。
そんな私を気にする風もなく、中にいてる総二郎を呼んでくれた。
「どしたのお前」
高校に上がってからは、教室にお弁当を届けることをしていなかったため、私が教室に来たことに多少の驚きと、手に持つお弁当を見て、総二郎なりに解釈したらしい。
「早弁のお誘い?」
「ちがう!」
えぇ?と首を傾げる総二郎に、私は一気にまくしたてた。
「これから、一緒に食べれないの、実は他に食べたい子がいて!あっでも、総二郎が嫌とかじゃなくてっ!ちゃんと毎日作るし!クラスの女の子でねっ…あのっ…」
しどろもどろになりながら、必死に説明しようとすれば、途中で総二郎が笑い出してしまった。
「何で笑うの!」
「いや…、お前必死で…っははっ」
こっちは一生懸命、妙な誤解をされないように説明しようとしてるのに!
「たっ、たまには一緒に食べたりもしたいんだけど、その子も誘っていい!?」
「いいけど、別に気にしなくていいぞ…っははっ」
「笑うな!」
未だに笑いやまない総二郎。
たぶん、いや、間違いなく必死な私がおかしいのだろう。
「帰ったら説明するから!あっ!今日はちょっと遅くなる!」
「はいはい、お前んちで待っとくよ」
「ありがと!じゃ、行くね!あっ、それと授業サボらないように!」
「はいは~い。その子によろしく~」
走りながら「了解」って言おうとして、自分の足が絡まってこけそうになったら、また笑われて「廊下は走らないように」と、釘をさされた。
辿り着いた教室は、中学のときとは違い、何かしら入りづらい壁のようなものを感じて、たまたまそこから出てきた生徒に、思い切って声をかけた。
「あの、松田総二郎いますか?」
同級生だとわかっていても、緊張で思わず敬語になってしまう。
そんな私を気にする風もなく、中にいてる総二郎を呼んでくれた。
「どしたのお前」
高校に上がってからは、教室にお弁当を届けることをしていなかったため、私が教室に来たことに多少の驚きと、手に持つお弁当を見て、総二郎なりに解釈したらしい。
「早弁のお誘い?」
「ちがう!」
えぇ?と首を傾げる総二郎に、私は一気にまくしたてた。
「これから、一緒に食べれないの、実は他に食べたい子がいて!あっでも、総二郎が嫌とかじゃなくてっ!ちゃんと毎日作るし!クラスの女の子でねっ…あのっ…」
しどろもどろになりながら、必死に説明しようとすれば、途中で総二郎が笑い出してしまった。
「何で笑うの!」
「いや…、お前必死で…っははっ」
こっちは一生懸命、妙な誤解をされないように説明しようとしてるのに!
「たっ、たまには一緒に食べたりもしたいんだけど、その子も誘っていい!?」
「いいけど、別に気にしなくていいぞ…っははっ」
「笑うな!」
未だに笑いやまない総二郎。
たぶん、いや、間違いなく必死な私がおかしいのだろう。
「帰ったら説明するから!あっ!今日はちょっと遅くなる!」
「はいはい、お前んちで待っとくよ」
「ありがと!じゃ、行くね!あっ、それと授業サボらないように!」
「はいは~い。その子によろしく~」
走りながら「了解」って言おうとして、自分の足が絡まってこけそうになったら、また笑われて「廊下は走らないように」と、釘をさされた。
