俺はあの教室を出て、中庭に1人、いた。


「ハァ―――。」


ため息を吐く。



理由はもちろん兄貴である。


昔から兄貴とは顔が似ていたが性格は正反対だった。


愛想のよい性格と誰とでも話せる兄貴に―――



俺は勝ったことがない。




だから、俺は兄貴とは違う高校に通うことにした。



理由は簡単、逃げだった。