ううん、一目ぼれじゃない。



 最初は見かけてもかっこいいとか思わなかった。



 あの日、初めて声をかけてくれて、私の絵を褒めてくれた。



 今まで何もかも報われずに、貶されることに慣れていた私を包むように褒めてくれた。



 そんな藤方くんを好きになった。



 でも、うっすら気付いてるんだ。



 きっと…藤方くんは彼女がいる。って…。