自分の身になにが起こったのかを理解するまで絋佳は時間がかかった。 「………ぃたっ………」 絋佳がやっと状況を理解した時には、悠斗の身体が自分の上にあった。 一瞬、目が合ったがまともに顔が見られずにお互い顔を背けた。 『この男子(ヒト)知ってる。あのバンドの……アトラスのギターを弾いてる男子だ』 自分の好きなバンドのメンバーだとわかり、絋佳の抵抗する力は弱くなった。