『気をつけなきゃ……それよりあれが誰かに見られたら大変だ……私の大切な秘密』 そんな気持ちが更に足を早めていたから、途中ですれ違った男の子たちの会話なんて雑音のひとつでしかなかった。 でも、その会話の中に微かに「美乃梨ちゃん」の名前があったような気がした。 『そう言えば、美乃梨ちゃんもあのバンドを知っていると聞いたことがあったな…… もちろん、私が好きだということは言えなかったけど……』 足を更に早めながら絋佳はそんなことを思った。