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「…じゃあな」
「あ、うんまたね!」
皆がまだ教室で無駄話をしている中、一足先、とでも言う様に教室を後にする結城。
…塾、とかかな?
私がそんな思いを巡らせていると、愛ちゃんが結城に話しかけるのが見えた。
(…元カノ、元カノだから…)
結城が好きでなくとも愛ちゃんはおそらくまだ好きなのだろう。
仕方ないことだし、何より結城を好きになる気持ちはわかるから何ともいえない。
「…じゃあ、明後日放課後なら旅館見に行ける?短縮だよね?」
「嗚呼、時間までなら大丈夫だ。」
「やった、じゃあ学校終わったらそのまま行こ!
近い旅館だから時間大丈夫のはず!」
「解った。」