腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ



「…そんな顔をするな」

よく解らない表情で私を見つめる結城。

「ごめっ…」

困らせたかな、と不安になって謝ろうとする私をまた結城が強く抱き締める。

「…七瀬」

「ん、」

「俺が好きなのはお前だけだ、覚えておけ。」

照れからか、ふい、とそっぽを向きながらそんな言葉を放つ結城。

意識しなくても頬が熱くなるのを感じた。

「私も、だよ。誰よりも好き。」

「…生徒会長よりも?」

「当たり前じゃん。好き。」

思わず笑いながらそう言うと、少しむ、とした様な表情になる。