腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ



「…正解だ、何故解った?」

「あんたの事ぐらいお見通し。」


仕返し、と言わんばかりに結城を見て笑う。


「…前も言ったが、好きな訳ではない。今も、昔もな。」

「…うん、知ってる。」

「ただ、俺にもあいつとのそれなりの思い出があるんだ。」

「…うん。」


結城の呼ぶ「あいつ」という言葉の響きに思わず泣きそうになる。

…ちゃんと結城が説明してくれてるのに、こんなに嫉妬するとか馬鹿みたい。