腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ



「どうせ夏ですからすぐ乾きますし、とりあえず他の乗りませんか?」

「う、ほんとにごめん...そうしよっか」

濡れた髪を軽くかきあげながら微笑む七瀬に、またもや生徒会長が謝りながら肯定する。



「憂がそれでいいならいいけど...結城くんもそれでいいよね?」

「ん?嗚呼、構わない」


いきなり梨本に話をふられ、若干間を明けながらも頷く。

「じゃ、次どこいこっか?」

「んー...比較的すいてるのは...なさそうだけど。やばいな、混んできたね」

「じゃあお昼食べようか?」

「あ、いいねさんせー!」

七瀬と梨本が楽しそうに会話を繰り広げているあいだ、俺と生徒会長もこっそり会話をする。

「...つきあったんですか?」

「うーん...つきあったとはちょっと違うかな..」

「...?」

「まぁ、そんなことはどうでもいいよ。それより、七瀬ちゃんとはどうなの?」

「...おかげさまで、ぼちぼちです」

不思議そうな俺を振り切るように、話題を変える生徒会長。