腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ




「...しょうがない奴だなお前は」

「...うぅ、」

「はぁ。...いいぞ」

「やっぱダメだよね...って、え?い、いいの?」

私が諦めと共に発した言葉と重なるように聞こえた結城の返事に、思わず聞き間違えじゃないかとさえ思い、聞き返す。

「嗚呼。お前の親友なんだろ?」

「ゆ、結城っ..!」

結城の優しさが胸に染みる。

「ご、ごめんねほんと、ありがとう...!お礼になんかあげるね!」

「...いや、デートはデートだしな。別にそんなこと気にしなくてもいいが...まぁ、楽しみにしておく」




それから電話を切り、結城も含め柚希と時間などの細かい約束を決めた。