腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ




「...あ、ここでいいよ?」

「ん、そうか」

「あっ、待ってっ」

そうこうしているうちに家の近くに来たため、結城にそう言って微笑む。

それを聞いて、軽く手をあげ後ろを向こうとする結城を慌てて呼び止める。



「?なん__」

小さなリップ音をたてて、結城の頬にキスをする。

「私ばっかドキドキさせるから、お返しです」

悪戯っぽく目を細めると、

「...お前のお返しは毎回よくわからんな」

と小さく笑って、不意に私の頭を引き寄せた。