腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ



「ほら、行くぞ」

「...え?」

「送る。そんなに遠くないしな。」

「え?あ、な、何で?」

そんなこと夢にも思っていなかったから、思わず理由を問う。



「...彼女を送るのに理由なんていらないだろう」


結城は、そう囁くと、ふっと口元を緩める。